でもそれは、政治家だけではなかった。
国民のほとんどがそうでした。
ところが3.11のあの日から、
「原発が爆発した」とか、
「メルトダウン」とか、
「レントゲンと内部被曝はぜんぜん違うんだ」とか、
「野菜やお肉からセシウム検出」とか、
「ストロンチウムやプルトニウムも飛んでる」とか、
後から後から不安なニュースが出てきて。
「原子力ムラ」とか、
「御用学者」とか、
「原発立地への助成金」とか、
「電力は足りている」とか、
「自然エネルギー発電の開発をジャマしてきた電力会社」とか、
どす黒い裏側が見えてきて。
さすがに原発を信じてた人たちも「このままじゃいけないんじゃないか」と思いはじめましたよね。
「原発をやめるわけにはいかないだろ」そう考えながらも、
「このままじゃいけない」って感じるようになって、
「じゃあどうしよう」って考えはじめた人たちを、
今はののしる時じゃないと思うんです。
「このままじゃいけないんじゃないか」と気がついた。
そして動きはじめてくれている。
菅さんの脱原発宣言がそうでした。
枝野さんは、東電に情報開示とさらなるコスト削減を迫ってます。
野田さんは、停止原発の再稼働には地元の理解が必要と言いました。
(この「地元」が、村の一つ二つじゃなくて100km圏内まるごと含むことを望みます。)
震災直後に避難すべき人たちを避難させなかった、政府の責任は大きいです。
その失敗に気がついて、おののいて、原発利権を封じ込める方向に進みはじめている。違うでしょうか?
つい、今さっきのことです。
「大震災と原発事故で経済がボロボロの時期に何やってんだ」と国民からマスコミから非難の声があがっていた「朝霞宿舎建設」に野田首相がストップかけました。
野田さんは独裁的ではなくて、あちらの顔を立て、こちらの顔を立てする人ですけれども、軽々しく尾を振ってるわけでもないようで、国民の思いも汲みながら、原発ムラの顔色もうかがいながら、国防問題や産業のことも念頭に置きながら、なんとかより多くの人が納得できる形をと考えてくださってるようです。
そうして、ゆっくりと「利権の人たち」に原発以外の居場所を探してあげながら、日本を原発依存から卒業させようとしてくれている。
…違うでしょうか?
政治家をバカにする人も多いですけど、人間ってそんなにバカじゃあ、ないですよ。
原子力ムラの住人でさえ今は、どうしたら自分が原発いらないって言えるようになるだろうと、考えはじめてる人たちがいますって、絶対。
─ 翌日追記 ─
「だから政治を信じて黙って見守ろうよ」なんて言ってるんじゃないですよ。
私、経産省前でハンガーストライキしていた若者たちとか、一人で東電に訴訟を起こした北海道のおじさんとか、ああいう活動を支持します。
だけど、ネットで政治家や電力会社やマスコミや、福島県民までをも罵倒してる人たちには、「ののしることで世の中が変わりますか?」と問いたいのです。
原発推進の立場からその考えを変えつつある人たちの、背中を押すことのほうがずっと有意義だと思いませんか?
─ 翌々日追記 ─
「朝霞宿舎建設ストップについては、すでに決定していたものをタイミングよく発表しただけ。しかも朝霞宿舎建設以外にも無駄な建設予定はたくさんあって、もぐら叩き状態。」
…そんな話をさっき『ワイド!スクランブル』という番組でやってました。
私、すっかりはめられてたんですか?(笑)
首相はドジョウじゃなくてタヌキだったのか?
それとも、財務省が首相をうまく操った結果だったのか?
はたまた、この番組が首相をいじめて視聴率を取りたかっただけなのか?
ん~~、なんだか、どれもありえそうですね。
全部正解だったりして。(うわぁ、コワイ!)
でももしその話が首相の手管手練だとするなら、逆にこれで良いと思います。
つまり、国民を納得させるためにこういった手を使う人なら、原子力ムラをなだめるためにもまたこういった手を使うでしょう。
反感ばかり招いて集中攻撃を受けた菅さんや蜂呂さんの脱原発路線よりも、よっぽど手腕がありそうです。
問題は、野田さんが心の奥底で考えているのは脱原発なのかじつは原発推進なのか、ちっとも見えないということなんですけれども。
私、本気で政治改革を企む政治家は、いま本音を出さずにどっちつかずの顔しておくほうが有利だと思います。
公務員宿舎問題にしてもダムや原発にしても、その建設運営を稼業として生きている国民もたくさんいらっしゃるわけですから、そこをまったく無視して急展開な改革をするわけにもいかないでしょう。野田さんのような「食えない八方美人」みたいな首相というのは、今の日本を立て直すのに一番合ってるんじゃないでしょうか。
野田さんが首相に決まったときは、この人が候補者の中でもっとも脱原発から遠い人物と聞いて不安だったんですけれども、じつはドジョウを名乗ったタヌキかもしれないという期待感が湧いてきています。
※出典・参考(2011/10/04更新)
[2011/05/19 18:19 J-Cast「発送電分離論」が急浮上 「自由競争」か「安定供給」か 東電解体の模索]
[2011/07/14 06:50JST ウォールストリートジャーナル 菅首相、「脱原発依存」への政策転換を表明]
[2011/09/13 11:46 MSN産経 黒塗り「東電に説明責任」 枝野経産相]
[2011/09/29 17:28 時事 原発再稼働、首相「安全と理解が前提」=官房長官、期限設定を否定—参院予算委]
[2011/10/02 19:36 時事 東電は一層のコスト削減を=枝野経産相]
[2011/10/03 13:31 47NEWS 東電、複数議員のパー券購入 与野党問わず]
[2011/10/03 14:05 朝日 野田首相、朝霞宿舎の5年間建設凍結指示]
[2011/09/12 alterna 断食で伝える原発への想い-経済産業省前「将来を想うハンガーストライキ」]
[2011/06/29 おしどりマコ・ケンの「脱ってみる?」「脱原発裁判&脱原発株主総会」 前川宗廣さんの活動 ほか]
[2011/09/29 田中龍作ジャーナル (前川宗廣さんの活動)
[2011/09/24 saneyukiのブログ 朝霞の公務員宿舎建設決定について考えてみる①]
[2011/10/05 ZAKZAK ドッチラケ〜豪華宿舎こんなにある!インチキ実態、暴露しちゃう!]
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