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2011年6月27日月曜日

被ばくの調査

福島県民の大がかりな被曝調査が始まりました。今日はまだ10人だそうですけど。
きっちりデータを取りながら、最善の対策と最善の治療を施してくれればありがたいことなのですが…
どうもニュース記事をよく読むと、これは調査であって治療目的ではなさそうです。


広島・長崎の原爆のときも、アメリカと日本の政府は被曝者のデータだけを集めてなんの治療もしなかった。
…そんな話があります。
調査データは口止めされて、アメリカは原爆・水爆・劣化ウラン弾を正当化しつづけ、日本政府も原爆による発ガン性を認めないことで補償金の支出額を低くおさえたといわれています。
このときの調査を担当したのが「原爆傷害調査委員会」(ABCC/1946年アメリカが設立)。
のちに厚生省も参加し「放射線影響研究所」(放影研/RERF/1975年~)と名を変えます。


さて、福島県民の被曝調査を担当することになったのは「放射線医学総合研究所」(放医研)。
こちらの経緯は、1957年に科学技術庁所管の国立研究所として発足し、2001年に文部科学省所管の独立行政法人となったとのことです。
ですから前述の「放射線影響研究所」とはまったく別物らしいのですが、何がどうなっているのか、この「放医研」のメンバーと「放影研」のメンバーが何人も「国際放射線防護委員会」(ICRP)の顧問や委員だったりするので、つながりがないわけではなさそうです。
国際放射線防護委員会」といえば、3月末に日本に対してわりと簡単に被曝放射線量の許容値引き上げを提案した人たちでもあります。そうすることで「避難移住を避けましょう」と。なんだか被爆者をモルモットにする気満々だったようにも思えます。

それにどうも引っかかるのは、「放医研」が放射線によって引き起こされた病気を治す組織ではなく放射線を医学的に利用するための研究開発組織だということです。
たとえばレントゲン、たとえばCTスキャン、それからガンの放射線治療、そういったものの研究ですね。
どちらかというと、放射線による発ガン性なんか目をつぶってしまって、放射線のメリットばかりに注目しそうな組織ではないのかとそこが心配です。

じっさい、「集団検診のレントゲンやCT検査がガン患者を増やしている」という報道があったにもかかわらず、今も検査のとき患者にリスクの説明が一切ないのは、このあたりの専門家の言動に左右されているからではないのでしょうか。

「原発事故が起きたからって海藻を食べても無意味」だと発言したのも、この「放医研」でした。
なぜ、あのとき「どれだけの海藻でどれほどの効果があるかまでは不明。食べすぎも良くないのでほどほどに」とていねいな物言いができずに、「効果がない」と言い放ったのか、私はいまも不思議に思ってます。


放射線を浴びたからって必ずガンになるわけではないのは、わかります。
それでも、発ガン率が5%とか10%とか上がるのであれば、できうるかぎりその発病をおさえ、発病したばあいはできうるかぎり健康を取り戻せるように、なんとか力を注いでほしいものです。


─追記─

こんな"つぶやき"があります。
5/31 今日、放医研でホールボディカウンターをうけた!! が!!検査結果は一切いただけず、ただ大丈夫ですとしか告げられなかった。何故結果がいただけないのか?と聞いたところ放医研の方針なのでと言う答だけだった。個人情報がいただけないなんて!!

やっぱり「放医研」も「放影研」と同じで、患者の身の上ではなく研究の都合しか考えていない組織なんでしょうか。



※出典・参考(2011/08/10更新)

・広島の被曝調査
 [2011/06/21 週刊ゲンダイ 元広島陸軍病院医師 肥田舜太郎氏が警告]

・福島県民の被曝調査(ニュース記事)
 [2011/06/17 03:01 朝日 福島県民を30年にわたり健康調査 内部被曝も含め測定]
 [2011/06/27 10:44 日経 福島の全県民健康調査始まる まず浪江などの120人]
 [2011/06/27 10:58 毎日 福島第1原発:住民の健康調査 先行の10人が千葉到着]
 [2011/06/27 13:19 朝日 内部被曝追跡始まる 30年調査、まず10人が放医研へ]
 [2011/06/27 13:37 時事 内部被ばくの評価法検討調査=福島第1原発周辺の住民対象に−120人・放医研]
 [2011/06/27 13:57 NHK 福島 内部被ばくの検査始まる]
 [2011/06/27 14:07 47NEWS(共同)全福島県民の被ばく健康調査開始 まず浪江町住民10人]

・福島県民の被曝調査(ブログ記事)
 [2011/08/06 ベラルーシの部屋 福島県民の方が受けた測定の結果について]
 [2011/08/09 ベラルーシの部屋 どうして体重1キロあたりの結果ではないのでしょう?]

・放影研
 [Wikipedia 原爆傷害調査委員会ABCC = (放射線影響研究所/放影研/RERF)]

・放医研
 [Wikipedia 放射線医学総合研究所(放医研)]
 [2011/03/29 当ブログ記事 「海藻は効かない」の嘘 放医研の見解の不思議]
 [Wikipedia 放射線影響協会 1960年、放医研の所在地に設立]

・国際放射線防護委
 [Wikipedia 国際放射線防護委員会ICRP]
 [2011/03/26 19:41 朝日 被曝限度量の緩和提案 国際放射線防護委、移住回避促す]
 [2012/02/16 毎日 NHK対「原発推進」団体 浮上した「低線量被ばく」問題]
ICRPが米国の核兵器工場や原発推進の勢力から圧力や影響を受け続けてきたことは、(ICRPの)内部被ばくに関する委員会の議長を務めたカール・モーガン博士が自著で明らかにしています。
2012/02/16 毎日新聞『NHK対「原発推進」団体 浮上した「低線量被ばく」問題』より

・国立がん研究センター
 [2011/06/21 毎日 福島版 東日本大震災:福島第1原発事故 県民の健康調査にがん研協力申し出 /福島]

・その他の関連組織名称をウェブから拾い集めてみました
 社団法人 日本医学放射線学会 (JRS)
 一般社団法人 日本放射線科専門医会・医会 (JCR)
 日本放射線影響学会(JRRS)
 日本放射化学会
 日本保健物理学会(JHPS)
 放射線腫瘍学会(JASTRO)
 日本放射線技師会(JART)
 文部科学省 放射線審議会
 放射線と健康を考える会
 NPO法人 放射線教育フォーラム
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