冬の節電依頼の報道は早くも9月から流れていましたが、11月に入って具体的な数字が出始めたようすです。
面白いのは、
寒い地域よりも、暖かい地域のほうが電力不足の傾向にあるところ。
(北海道電力・東北電力・東京電力・中部電力は節電要請なし。関西電力は10%、九州電力は5%の節電をよびかけています。)
暖房は冷房と違って灯油やガスの利用が多いですから、「寒くなると電力が不足する」ということをあまり言うと、みんなどんどん電力離れを起こしてしまいますし、電力会社のほうもそのあたりの兼ね合いに頭を痛めてるのではないでしょうか。
すでに9月10月から、石油ストーブの売り上げや予約が前年比1.5倍という話もありますしね。
そんな中で、
読売新聞がずいぶん異色の見出しを掲載していました。
電力不足対策 節電と原発再稼働が不可欠だ
世論が日に日に脱原発依存に流れている中で、こういうことを言ってしまう読売新聞には、それなりの立場というものがあるのでしょう。
1950年代の日本で原発開発の音頭をとった顔ぶれの中でも、当時読売新聞社主であった正力松太郎さんはとくに重要な位置を占めていたといわれます。読売系(放送・野球・サッカー)のすべてのルーツとなる人物で、警察官僚歴を経て経済界に大きな影響を与え、国務大臣・科学技術庁の初代長官にまで就任していました。
1969年には亡くなっていますが、その遺志を継いだ人物が政界にも経済界にもたくさんいらっしゃるんだろうなと想像できます。
正力松太郎さんが生きていたら、利権を手放さないことにやはり全力をそそぐのでしょうか。
もしかしたら、もう原発の時代ではないと見切りをつけ、日本のプライドをかけて自然エネルギーの開発促進とそちらのシェア拡大に燃えていたかもしれないなぁと思わなくもありません。 | 「冬の節電」関連ニュースの
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(2011/11/03 15:00 google) |
ただ、略歴を見ると、時代を読んでその波に乗ることよりも、世論を動かして時代を作り出すことのほうが得意ではあったようですね。
その経営体質が、今も文科省や読売の方向性としてはっきり残っているのは、とても残念です。 |
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