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2011年6月22日水曜日

レベル8

原発事故としての最高値「レベル7」は、現在チェルノブイリ原発事故福島第一原発事故だけです。

そこに、今までなかった「レベル8」を新設するという話が浮上しました。
福島の事故を小さく見せたいのか、大きく見せたいのか、どちらを狙っているのでしょう。

…どっちでもいいような気はしますけど。

放射性物質の総放出量は、チェルノブイリのほうが多く、ほぼ2倍とも10倍ともいわれます。
正しい数値が不明なため、発表機関や発表時期によってかなり差があります。
一説にはチェルノブイリの事故は1基、福島第一原発の事故は4基+燃料プールなので、福島の汚染の方がひどいはずだという意見もあれば、一気に吹き飛んだチェルノブイリ例よりも、じわりと溶融した福島例のほうがマシという意見もあります。


原発周辺の汚染濃度は、福島第一原発のほうが高いようで、そう考えるとチェルノブイリの事故ほど広範囲には広がらなかった可能性があります。
文科省発表の汚染地図における最高値が、福島は「3,000,000~14,700,000Bq/㎡」、チェルノブイリは「1,480,000Bq/㎡~」という表記になっていることからの想像。

一方、日本の人口密度はチェルノブイリの5倍とも15倍ともいわれます。
この数字も発表機関によって差があります。
事態収束の長期化によって原発作業員の被曝も日ごとに増えていますので、健康被害の出る人数は日本の方が多くなると思われます。

事故による死亡者数の比較は、今後何年経っても答が出せないだろうと私は思います。
原発反対派はガン死と放射能の相関性を大きく論じますし、原発推進派はそれを絶対に認めないと同時に、原発そのものが常に隠蔽体質であるという事実から、この問題はいつまで経ってもグレーのまま残るでしょう。

追記 2011/09/22 : 熱中症一つとっても、「去年の方が猛暑だったのに、今年のほうが熱中症の死亡ニュースが多い。じつは熱中症じゃなくて放射線障害ではないのか」「原発作業員がたくさん倒れているのも、本当に熱中症なのか」と疑う人がいる一方で、テレビでは「今年の夏は寒暑のめりはりが大きいから、体調を崩す人が昨年よりも多いのです」とわざわざ解説していました。
私なんぞは、どちらの意見も説得力があるように思えて、両方にうなづいてしまいます。


追記 2011/12/05
チェルノブイリ事故によるガン死数の見積もり
評価者ガン死数対象集団被曝1シーベルト当たりガン死確率
IAEAチェルノブイリフォーラム
(2005)
3940件60万人0.11
WHO 報告(2006)9000件被災3カ国740万人0.11
IARC 論文(2006)1万6000件ヨーロッパ全域5.7億人0.1
キエフ会議報告(2006)3万~6万件全世界0.05~0.1
グリーンピース(2006)9万3000件全世界-
今中哲二 著 『チェルノブイリ原発事故の調査を通じて学んだこと』より


とりあえず、チェルノブイリと福島、事故の重篤性はどっちもどっちで比べようがない、そんなところでしょうか。

ニュース検索のトップに出てきた話題 2011/06/22 13:20




※出典・参考(2011/12/05更新)

・チェルノブイリ原発事故の放射性物質放出量

 総放出量
 [2011/03/25 03:00 朝日 記事中で"180万テラベクレル"と表記]
 [2011/04/25 01:02 毎日 記事中で"520万テラベクレル"と表記]

 セシウム137の放出量...8.5万テラベクレル
 [2011/10/28 11:18 日経 セシウム放出、安全委推計の3倍 欧州チーム指摘]


・福島第一原発事故の放射性物質放出量

 総放出量...57万テラベクレル(8月22日 原子力安全委が発表)
       85万テラベクレル(6月10日 経済産業省原子力安全・保安院が発表)
 [2011/06/06の各社報道(日経 / MSN産経 / 47NEWS / 毎日)最初の5日間で77万テラベクレル]
 [2011/04/12 12:05 日経 放出量は「チェルノブイリ超える懸念」 東電]
 [2011/04/25 01:02 毎日 (事故一ヶ月後の時点で)毎日154テラベクレル放出]
 [2011/08/17 19:04 NHK (3月15日の時点で)毎時2000兆ベクレル放出(兆=テラ)]
 [2011/08/17 19:04 NHK (6月の時点で)毎時10億ベクレル放出]
 [2011/07/19 21:20 読売(7月19日の時点で)毎時10億ベクレル放出]
 [2011/08/17 19:04 NHK (8月17日の時点で)毎時2億ベクレル放出]
 [2011/08/22 20:57 朝日 放出放射能57万テラベクレル 原子力研究機構が試算]

 セシウム137の放出量...3.6万テラベクレル
(4月20日までの数値 / 10月に欧州チームが発表)
           1.1万テラベクレル(8月に原子力安全委が発表)
 [2011/10/27 03:11 読売 放射性物質放出量、政府推計の2倍]
 [2011/10/28 11:18 日経 セシウム放出、安全委推計の3倍 欧州チーム指摘]

 海洋へのセシウム放出量...2.71万テラベクレル(フランスの研究所が発表)
 [2011/10/28 06:36 時事 海洋流出、東電推計の20倍か=福島原発のセシウム−仏研究所]
 [2011/10/28 23:30 スポーツ報知 海洋流出セシウム、東電発表の30倍…フランス研究所が発表]
 [2011/10/29 00:10 47NEWS(共同)海洋流出、東電発表の30倍 セシウム、仏研究所が推定]
 [2011/10/29 01:04 読売(共同)セシウム海洋流出、東電公表の20倍…仏研究所]


・予測図と計測図(当ブログ記事)
 [2011/04/26 福島原発の放射性物質飛散予測]
 [2011/05/09 チェルノブイリ並みだったFukushima]
 [2011/06/07 ホットスポット]
 [2011/10/01 プルトニウムとストロンチウム]
 [2011/10/03 更新とひとりごと ヨード131汚染マップ]
 [2011/10/14 やっぱり出し惜しみの汚染マップ 4 セシウム汚染マップ]
 [2011/10/23 むちゃくちゃなホットスポット 2]


・チェルノブイリの死者数
 [2005/04/24 12:49 47NEWS(共同通信)チェルノブイリ事故19年後、ウクライナの被曝死者数は150万人以上]
 [2011/04/15 日本 首相官邸 チェルノブイリ事故の急性障害による死亡者は28名]
 [2011/04/18 ハンス・ブリックス(IAEA国際原子力機関1986年当時事務局長)の警告論文その他 和訳]
 [2011/03/29 社会実情データ図録 旧ソ連の平均寿命の推移から見る、原発事故(1986年)とソ連崩壊(1991年)]
 [2009? 今中哲二(京都大学原子炉実験所) チェルノブイリ原発事故の調査を通じて学んだこと pdf]


・福島原発事故の仮定死者数
 [2011/04/15 13:47 スリーマイル島事故調査の専門家が語る:フクシマで20万人が死ぬかもしれない 和訳 / 原文]


・その他 当ブログ内の関連記事
 [2011/03/23 放射能は怖いか怖くないか]
 [2011/04/28 母乳・牛乳・野菜]
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