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2011年3月28日月曜日

「海藻は効かない」の嘘

放射能汚染時の対策として「海藻は甲状腺ガンの予防にならない」という話がありますが、その根拠が、どーーしてもみつかりません。むしろ、福井県が設置した原発環境監視センターのサイトに、海藻の効果を認めた記述があります。
チェルノブイリ関連サイトでも、数多く海藻の効果が語られてます。
やっぱり、「効果がない」というのは、買い占め騒動を防ぐための方便ではないかと。

あと、びっくりしたのが、
成人の甲状腺癌やバセドウ病の治療には、なんと放射性ヨードを体内に取り込むため、海藻摂取をやめさせるという方法が、日常的に行われていること。
これがまた、福島原発から出ている放射性物質と同じ"ヨード131"だったりする。
放射性ヨードは、DNAを傷つけてガンを起こす半面、病巣を傷つけて消滅させることもできるという理論でやっているらしい。)

原発事故に関して「海藻は効かない」と言い出したのは、そもそも放射線医学総合研究所だと新聞各社が伝えてます。
これまで「放射性ヨードはガンの薬」「海藻はガン治療の邪魔」と言い続けてきた手前、いまさら全国民に海藻を勧める発言なんてできない、という状況があるのでは?


まあ、甲状腺癌予防に海藻が良さそうだとしても、食べすぎが甲状腺ホルモンのバランスを崩すこともあるとかないとか。
海藻を食べる量はほどほどに。

原発事故の現場で治療に使われるヨウ素剤は、小人38mg・大人76mg。
避難の直前に飲むものらしい。薬を一回だけ飲んでそのまま現地に残ると、かえってリバウンドで放射性物質を多く取り込むおそれがあるため。
薬剤の数がじゅうぶんある場合は、この一回量がそのまま一日あたりの処方量に。
このヨウ素剤、昆布だし汁なら 小人2杯・大人4杯 にあたるとのことです。
(ただし、だしのとり方によって誤差は大きい。)




─後日追記(2011/10/30)─

昆布の効用について、(放射能を気にする人たちの間では、すでによく知られていることですが)追記しておきます。

ヨード131についてはもうあまり心配しなくて良い時期です。半減期が短いので。
…といってもゼロになったわけではありませんから、乳製品や海産物はまだ気をつけたほうが良いのでしょうが、ヨード131より今はストロンチウムやセシウムによる白血病や癌などのほうが気になりますね。

セシウムはカリウムのふりをして体内に吸収されるのですが、人体にはもともとカリウムを排出する機能があるため、放射性セシウムを取り込んでもその影響は数ヶ月で消えるといわれます。

問題が大きいのはストロンチウムです。
ストロンチウム89とストロンチウム90は半減期が数十年と長いですし、カルシウムのふりをして体内に吸収されるため、一度骨に取り込まれると排出されにくく「一生のおつきあい」とさえいわれます。
ですから食べる段階での注意が重要になります。

一般に「放射性物質の検出なし」とされている食べ物はヨードとセシウムだけの話で、ストロンチウムについては検査されていません。ヨードやセシウムより検査が困難だというのがその理由で、土壌沈着についての公式発表(2011年9月30日)も福島県東部のみです。この発表の翌月には、民間の調査によって関東で福島に匹敵する高濃度のストロンチウムが検出されたというニュースが、大手新聞各社から報道されました。
原発事故による飛散地域がヨードとセシウムでは異なっているのですから、ストロンチウムがヨードやセシウムとは別の地域に飛んでいる可能性も考えなければなりません。
(これが「福島の農産物は避けたほうがよい」「東日本の生産物は危ない」「日本の生産物は危ない」という話につながってくるのですから、政府は「風評被害」なんていう言葉を使う前に、一刻も早くストロンチウムと食品汚染の状況を調査し公開するべきだと思います。)
昆布の中にはアルギン酸という物質がありまして、これがストロンチウムと結合し易くて、それが一緒になって排出されると。
白石久二雄さん / 元放射線医学総合研究所 内部被ばく評価室長
2011年6月25日放送『ウェークアップぷらす』より
この昆布の効果は、ストロンチウムが胃腸にある段階での話です。
食いだめやあとから食べるのでは効果ありません。
また汚染されていない昆布を選ぶことも、もちろん前提となります。

このほかに、こんな方法も有効だそうです
食材を下ゆでして、ゆで汁は捨てる。
魚は、骨や内臓を食べない。
酢の物にして、汁は残す。
下記リンク集の「内部被曝を減らす方法」もご参照ください。




※出典・参考(2011/10/30更新)

・海藻の効果を否定する報道
 [2011/03/15 日経BP「うがい薬を絶対に飲まないで」、ネットのデマに注意]
 [2011/03/14 放射線医学総合研究所]


・海藻の効果を肯定する文章
 [2001-2005 福井県原子力環境監視センター>用語集>ヨウ素剤]
 [2011/03/17 日本核医学界 チェルノブイリ原発事故の例では、ヨード欠乏状態で 甲状腺癌増加]
 [2010/11/22更新 放射線治療専門委員会 ヨード131による甲状腺癌の治療とは…]


・海藻やヨウ素剤の摂取目安
 [2011/03月15日 鎌田實公式ブログ 八ヶ岳山麓日記 ワカメやとろろ昆布 ほどほどがいい]
 [2011/03月20日 でんきやかん コンブのだし ヨウ素剤のかわりに]
 [2011/03/17 日本核医学会 安定ヨウ素剤 飲んだら退避しないと むしろリバウンド]
 [2002年資料 原子力防災 いまヨウ素剤が欲しいひとへ ヨウ素剤 服用量]
 [2002年資料 緊急被ばく医療研修のホームページ 放射線防護策としてのヨウ素剤予防服用の実際]


・チェルノブイリ原発事故と小児甲状腺ガンの報告書
 (ベラルーシ国立甲状腺ガンセンター 菅谷昭・ユーリEデミチク・エフゲニーPデミチク)
 [1997年頃 ベラルーシにおけるチェルノブイリ原発事故後の 小児甲状腺ガンの現状]


・ストロンチウムの検出
 [2011/10/01 当ブログ内の記事 プルトニウムとストロンチウム 土壌汚染マップと報道]



内部被曝を減らす方法

 白石久二雄さん / 元放射線医学総合研究所 内部被ばく評価室長
  [2011/09/08出版 『福島原発事故 放射能と栄養』Amazon 934円]
  [1994出版(現在絶版)『チェルノブイリ:放射能と栄養』ブログ『深川下町・物語』で一部要約]
  [2011/09/22 毎日新聞 高松の白石さんが講演]

 椎名玲さん / 食品ジャーナリスト
  [2011/10/12 ZAKZAK 食品による内部被ばくを防げ!これが放射能対策11カ条だ]

 原子力環境整備促進・資金管理センター
  [1994/03 PDFファイル『食品の調理・加工による放射性核種の除去率』]

 ヒマラヤ企画さん
  [おいしいくらしたのしいくらし 買い物の時気をつけること(放射能を家に持ち帰らない)]
  [おいしいくらしたのしいくらし 放射能を減らす食品下処理法]
  [おいしいくらしたのしいくらし 放射能から体を守る食べ物]


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※ 2011年5月25日

この記事のタイトルを変更しました。
『海藻を食べよう』 → 『「海藻は効かない」の嘘』

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