「
どうなんでしょう、汚染の度合いにもよりますけど、いまさら避難するよりも、内部被曝を避けることのほうがもっとずっと重要なんじゃないかという気がします。

チェルノブイリ原発事故のとき、その汚染図はヨーロッパ全体に広がっていました。
だからこそ、当時被害を受けたオーストリア・ドイツ・ノルウェーが、福島第一原発の事故についてすぐに拡散予報図を出してくれたのです。
こういう知識を持つ人たちが「避難を」とか「水道水に注意」とか散々言ってくれていたのに、せっかくの提言を「不安をあおる」などの理由からシャットアウトしてきたのがテレビや新聞でした。
今でこそ「福島の事故はチェルノブイリなみの汚染、あるいはそれ以上」という事実が文部科学省の発表で公になっていますが、3月末に見かけたブログやツイッターでは、東京や茨城から西日本に避難した人たちが、友人知人から、ときには家族から、変人扱いされていることを語っていました。
「事故直後に本当のことを言ったら、民族大移動が起こって大変な騒ぎになっていた」
そう考えると政府やマスコミがこの事実を国民にどう説明すべきだったのか、私にも見当がつきません。
ただ、自力で調べて冷静に判断することがいかに大切か、今回のことで本当に身に染みました。
話を戻しますが。
今はもう避難の時期ではなくて、日本国民全員が農産物・海産物に気をつける時期だと思うんですよね…。政府がホットスポットの全国図を公開してくれていないので、それを見る前に断定はできませんけれども。
むしろ、ホットスポットの話を「避難」という面だけでとらえて農産物・海産物の汚染から目をそらしてしまうと、本当に避けるべきものを見失ってしまうんじゃないでしょうか?
─ 後日追記2011/06/18・地図更新2011/09/30 ─
すみません、勘違いしていたので3行目を訂正しました。
昨夜、追加の避難推奨区域が発表されたようです。
私、福島県内は、先月の飯舘村と一緒にとっくに避難区域の決定も発表もすべて済んでいると思っておりました。
「今はもう避難の時期ではなくて」なんて書きましたけど、福島県内ならば話はまた違ってきます。
わかりやすい地図をもっと早く出してくれたら、住民も心の準備ができるでしょうに…
ネットに出回っている福島県中部や千葉・埼玉県境のホットスポットなども、有志の方々が作ってくださった地図なんですよね。
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| 2011/09/11四訂版 早川由紀夫版 ホットスポット図 | 2011/08/27 新潟県HPより 早川由紀夫版 汚染ルートマップ |
─ 再度追記 2011/09/23・2011/11/30 ─

右下部分に位置するトルコ TurKiye の着色は省かれていますが、ここにもホットスポットがあったそうです。
チェルノブイリ原発事故は1986年でした。
トルコのリゼ県メカーレスキリット村では、事故翌年の87年に生まれた17人の子ども全員が、90年代後半になり、白血病で命を落とした。(中略)同村を含めた黒海沿岸で2000年以降、がん患者の発生率が以前の10倍以上に増えたという。がん患者10倍増加は、まあ…いろんなデータから想像できる範囲内ではありますが、事故翌年出産の赤ちゃんが10年ほどで全員死亡というのはショックです。2011/08/28 東京新聞「こちら特報部」より
チェルノブイリからトルコまでの距離って、福島から沖縄ほどの距離ですよ…。
当時、放射能への警戒心が弱い国に、汚染ミルクが大量に押し付けられていたという話を読んだことがあります。そのターゲットになった可能性は考えられないでしょうか。
トルコの情報を見つけました。

右の地図はチェルノブイリ原発事故4日後の風向きを示したもので、赤いのが放射性物質です。
「ローレンス・リバモア研究所のコンピュータ・シミュレーション」だそうです。
上記の「リゼ県メカーレスキリット村」をまともに直撃していました。5月にはトルコ西端やイタリア北部・オーストリア・ドイツ南端に、次々とホットスポットができたといいます。
「事故発生から8日後の気象条件を見ると、風は北風に変わり、南ヨーロッパ、とりわけ黒海沿岸に汚染が及んでいる。」この番組が作られたとき、放射能汚染は日本人にとって対岸の火事でした。私にとっても、そうでした。
「トルコでも雨によるホットスポットができた。5月3日に降った雨の影響で、ブルガリアとの国境に近いエディルネでは強い放射能が観測された。トルコ政府は全国三ヶ所に測定所を置き、さらに六台のマイクロバスに測定装置を積んで国内をくまなく測定した。」引用文・地図画像ともに『NHK特集 調査報告 チェルノブイリ原発事故』
(1987年3月14日初回放送 / 2011年11月23日再放送) より
番組内ではセシウムのことを「死の灰」と連呼しています。その響きから、いかに他人事であったかをあらためて思い知り、複雑な思いに駆られました。
─ 再々追記 2011/10/04・2011/11/08 ─
ベラルーシ ВЕДАРУСЬ (チェルノブイリ原発の北隣)では事故後8年間「新生児死亡率205%」だったという記述を見つけました。
(信ぴょう性は、なんともいえません。出典は、『Chernobyl:Consequences of the Catastrophe for People and the Environment』、米国科学アカデミー出版の本ですが、著作者の名前を検索してもこの本の執筆以外に、何一つ経歴や人柄を知ることはできませんでした。その一方で、ベラルーシ政府も、ウクライナ政府 [ チェルノブイリ原発所有 ] も、放射能汚染のデータについては基本的に隠蔽姿勢をとっているようです。)
流産・早産・妊産婦の病死まで含めたために、こんな奇妙な数字になったのでしょうか?
堕胎数も含まれているのかもしれません。白ロシア(ベラルーシ)では、事故以前からもともと中絶への抵抗感はあまりなかったようです。
また、ベラルーシには汚染の低い地域もけっこうあるのですから、もしこの「205%」が本当なら、居住地の放射線量よりも食べ物による影響のほうが大きいのではと思われます。当時ソ連政府は、事故後5年間、国民になんの情報も与えなかったといいます。
この追記を書いてから一ヶ月後、引用元サイトに訂正追記があるのを見つけました。
注)死亡率が100%を超える理由はその定義が((早産の死体数)+(生きて生まれたが、その後放射線障害で死亡し た数)) / (生きて生まれたが、その後放射線障害で死亡した数)のためたとえば、20人生まれたら20人死亡、それとは別に死産が21件あったということかな。
でもそうすると…。
20人生まれて10人死亡、それとは別に死産が31件あったという解釈もあり。
20人生まれて1人死亡、それとは別に死産が40件あったという解釈もあり。
女性として、新生児死亡数と早産・死産数は分けて教えてもらいたいところです。(研究者にとって似たようなものであっても、母性にとっては、腕に抱いたぬくもりが消え失せるのと、陽の光も見ずに消えた命への思いは、それぞれに違う悲しみがあるものです。)
YouTubeに上がっている『終わりなき人体汚染〜チェルノブイリ事故から10年〜』(1996年NHKスペシャル)にも、死産・早産が増えているという話は出てきますが、具体的な数字まではわかりませんでした。
※出典・参考(2011/11/26更新)
・避難区域の追加
[2011/06/06 23:03 毎日新聞 福島第1原発:「ホットスポット」 避難区域への追加検討]
[2011/06/16 21:12 読売 20ミリ超“ホットスポット”は4地区…文科省]
[2011/06/17 01:03 朝日 高放射線地点を指定、政府が避難支援へ 避難区域外でも]
[2011/06/17 02:00 MSN産経 ホットスポット4地点を指定、福島県南相馬と伊達、政府が避難を支援]
[2011/06/17 毎日 東京朝刊 東日本大震災:特定高線量地点、ホットスポット避難勧奨 政府指定、住居単位で]
[2011/06/17 東京新聞 朝刊 妊婦など住居単位 ホットスポット 避難促進]
・福島第一原発事故による日本の汚染図 有志による作図
[2011/04/19 nni's blog 福島メッシュ調査(4/12) 反映]
[2011/04/21 早川由紀夫の火山ブログ フクシマの放射能地図(汚染図初版)]
[2011/05/06 nni's blog 福島近県放射線マップ更新 + 年間積算マップ(@AkiraOkumura)]
[2011/06/05 nni's blog 鬼マッピングは続く]
[2011/06/10 早川由紀夫の火山ブログ 放射能には勝てない(汚染図初版 他)]
[2011/06/18 早川由紀夫の火山ブログ 放射能地図(改訂版)]
[2011/07/26 早川由紀夫の火山ブログ 放射能汚染地図(三訂版)]
[2011/09/11 早川由紀夫の火山ブログ 放射能汚染地図(四訂版)]
[早川さんの汚染図の作図協力者 萩原佐知子さんのtwitter]
[2011/08/27 新潟県HP > 報道発表資料 > 別紙3 放射能汚染ルート(早川由紀夫版)]
・チェルノブイリ原発事故によるヨーロッパのセシウム汚染図
[2011/05/21 Numerical Technologies Incorporated IAEA報告書(2006)抄訳 第三章 P24]
・トルコにもあったホットスポット
[2011/09/08 11:50 【放射能】西日本の無関心な人たちへ iza!(8月28日付東京新聞)]
[2011/08/30 23:26 もう黙ってられない! 原発なくせ! ちばアクション
・ベラルーシの新生児死亡率205%
[2011/06/12 Seven Mile Beach File『ヤブロコフ・ネステレンコ報告』(2009年発行)抄訳
原題『Chernobyl:Consequences of the Catastrophe for People and the Environment』]
[1998/10 チェルノブイリによる放射能災害 国際共同研究報告書被災者救援活動の諸問題とロシアの現状 事故後5年間、何も教えてもらえなかった国民たち]
[2011/07/13 ベラルーシの部屋ブログ ベルラド研究所について放射能汚染問題は終わったことにしたいベラルーシ政府]
[2011/07/30 ベラルーシの部屋ブログ 先天性の異常 中絶件数はもともと多いベラルーシ][1996 NHKスペシャル 終わりなき人体汚染〜チェルノブイリ事故から10年〜 YouTube動画 / 文字おこし]
・日本に起こっていること
[2011/03/28 当ブログ記事 放射能は怖いか怖くないか]
[2011/07/05 現代ビジネス もっと細かく全国1000ヵ所を独自調査 列島縦断 放射能はこんなに出ている]
・当ブログ内の汚染地図データ
[2011/04/26 福島原発の放射性物質飛散予測 ドイツ・オーストリア・ノルウェー・スイス]
[2011/05/09 チェルノブイリ並みだったFukushima]
[2011/06/07 ホットスポット]
[2011/08/30 出し惜しみの汚染マップ]
[2011/09/01 やっぱり出し惜しみの汚染マップ]
[2011/09/29 やっぱり出し惜しみの汚染マップ 2]
[2011/10/01 プルトニウムとストロンチウム プルトニウムとストロンチウムの汚染マップ]
[2011/10/03 更新とひとりごと ヨード131汚染マップ]
[2011/10/10 やっぱり出し惜しみの汚染マップ 3]
[2011/10/14 やっぱり出し惜しみの汚染マップ 4]
[2011/10/22 むちゃくちゃなホットスポット 千葉で57.5μSv/h]
[2011/10/23 むちゃくちゃなホットスポット 2 千葉柏市は雨水のせいとの報道]
[2011/11/06 フクシマの公園で 放射性テルルと放射性銀の汚染マップ]
[2011/11/15 やっぱり出し惜しみの汚染マップ 5]
[2011/11/15 新しい汚染マップ NHK「北海道や中国・四国にも拡散か」]
[2011/11/26 やっぱり出し惜しみの汚染マップ 6 セシウム汚染マップ最新版]
![]() | ←左は セシウム沈着量 右は 空間放射線量です→ | ![]() |
セシウム沈着量マップの色分けを、チェルノブイリ原発事故と比べてみました | |
赤い地域(3000kBq/㎡以上) | 千葉の市有地のセシウム発掘 (2011年10月21日 千葉県 柏市 57.5μSv/h 2011年10月22日 276kBq/kg=17940kBq/㎡) チェルノブイリ原発事故の強制移住地域 (セシウム1480kBq/㎡以上)(15.4μSv/h以上) 千葉の小学校でホットスポット発覚 (2011年10月25日 千葉県 我孫子市 11.3μSv/h) |
黄色い地域(1000kBq/㎡以上) 緑の地域(600kBq/㎡以上) | |
千葉の農地でホットスポット発覚 (2011年10月20日 千葉県 松戸市 7.0μSv/h) 東京の市民団体がホットスポット報告(2011年10月19日 東京都 江戸川区 6.7μSv/h) チェルノブイリ原発事故の一時移住地域(セシウム555kBq/㎡以上)(5.78μSv/h以上) 日本の原発労働・放射線医療などの管理区域(平常時50mSv/y以上) | |
水色の地域(300kBq/㎡以上) | |
東京の小学校でホットスポット発覚 (2011年10月17日 東京都 足立区 3.99μSv/h) 埼玉の高校でホットスポット発覚(2011年10月25日 埼玉県 八潮市 3.659μSv/h) 福島市の宅地でホットスポット発覚(2011年10月4日 福島県 福島市 3.5μSv/h) 東京の家屋でラジウム小瓶事件(2011月10月13日 東京都 世田谷 3.35μSv/h) チェルノブイリ原発事故の希望者移住地域(セシウム185kBq/㎡以上)(1.93μSv/h以上) | |
青い地域(100kBq/㎡以上) 紺色の地域(60kBq/㎡以上) | |
長野の小中学校?のホットスポット発覚 (2011年10月13日 長野県 軽井沢 1.7μSv/h) 千葉の公園でホットスポット発覚(2011年10月13日 千葉県 船橋 1.55μSv/h) 東京の小学校でホットスポット発覚(2011年10月13日 東京都 北区 1.01μSv/h) 神奈川の小中学校でホットスポット発覚(2011月10月14日 神奈川県 横浜 0.98μSv/h) チェルノブイリ原発事故で放射線管理区域(セシウム37kBq/㎡以上)(0.39μSv/h以上) | |
青緑の地域(30kBq/㎡以上) | |
日本では、基準値超えのお茶が発生 (2011年9月13日 埼玉県 所沢 1510Bq/kg) | |
茶色の地域(10kBq/㎡以上) 薄茶色の地域(10kBq/㎡以下) | |
民間の調査では、 現在日本で避難区域になっていない福島市・埼玉県・千葉県で部分的に 赤や緑・水色の地域にあたる数値が検出されていると言われます。 |
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